開催展望
佐世保競輪で7月16~18日の3日間、競輪界で初めてミッドナイト競輪のGⅢ開催「WTミッドナイトGⅢ」がある。男子は7車立て7R制、ガールズは同2R制、全9R制で行われる。通常のミッドナイト競輪同様に、枠番は内枠から競走得点が高い順となっている。中心は5月日本選手権で復活優勝した平原康多(埼玉)。関東同士の雨谷一樹(栃木)を目標に直線で差し切りを狙う。自在足さえる松本貴治(愛媛)と中井俊亮(奈良)や徹底先行の後藤大輝(福岡)も一発の魅力たっぷり。真夏の佐世保の夜が熱い。
平原は度重なる落車のダメージで一時はやや低迷していたが、5月日本選手権で吉田拓矢の先行を目標に直線で差し切り、21年10月の寬仁親王牌以来となるGⅠ優勝(通算9度目)を飾った。高松宮記念杯(以下宮記念杯)最終日で落車してしまったが、間はたっぷりあるし、心配は不要だ。関東ラインの雨谷や、同県の山口多聞らを目標にできるのも大きい。雨谷はまくりのスピードはメンバー中1、2位。好位からのまくりなら平原を抑えて優勝もある。
松本は日本選手権の失格でリズムが崩れたが、宮記念杯で1勝2着1回、取手GⅢで決勝進出と立ち直った。相手に応じて何でもできるし、関東勢より先にまくる展開に持ち込みたい。中井もコンスタントに決勝に進出しており、前場所のいわき平FⅠを3連勝で決めたように状態はいい。好位からの差しか自在戦で優勝を狙う。
後藤が台風の目だ。徹底先行で頭角を現し、5月大垣FⅠで準優勝、6月の地元久留米GⅢでは準決に進出と、S級初優勝も時間の問題だろう。この後に控える8月平塚のオールスター競輪でGⅠ初出場も決めている九州期待の星。直線が短く先行型が有利な佐世保バンクでいきなりGⅢ初Vもある。
一発大駆けがあれば南関勢だろう。機動型の簗田一輝、長田龍拳に追い込み型の佐々木龍ら駒がそろった。
ガールズケイリンは奥井迪が優勝に近い。6月パールカップで3日間とも最終バックを取るなど自力全開のレースを見せた。ぴったり追走した石井貴子に優勝をさらわれたが、ファンからの熱い声援は石井に負けていなかった。レースセンスが高い鈴木奈央、地元長崎の山口伊吹、高尾貴美歌や、126期の大型新人・高木萌那らの走りにも注目したい。
(日刊スポーツ)
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