
開催展望
大宮競輪場で「GⅢ・東日本発祥倉茂記念杯」が16日に開幕する。19日まで4日間で開催される。S級S班3人を中心に激戦が繰り広げられる。中でもシリーズを引っ張るのは、圧倒的なスピードを誇る脇本雄太。待ったをかけたいのが平原康多を筆頭にする地元の総勢9人。近況は消化不良のレースが続いているが、輪界随一の先行力を持つ北井佑季もV候補だ。
脇本は昨年末のKEIRINグランプリ(静岡)では、打鐘から後続が動けないほどのハイペース先行を披露。自身は3着に敗れたが、後ろを回った古性優作を優勝に導いた。脚力は誰もが認める輪界トップ。今回は昨年のGⅠ決勝(寬仁親王杯、競輪祭)で2回前を任せた同県の寺崎が参戦と追い風が吹く。グランプリ覇者の村上博幸(京都)が後位を固める。
地元からは9人が参戦。S班の平原を中心に結束力を高める。森田、山口多聞、黒沢征治、太田龍希の自力選手に武藤、宿口陽一など役者は豊富。一人でも多く決勝に乗って牙城を守り抜く。地元勢の味方になる佐々木悠は好調で、今節も楽しみ。
もう一人のS班の北井も黙っていない。前場所の立川記念GⅢでは準決で失格。近況は消化不良のレースが続いているが、持ち味の先行力を生かして南関勢を引っ張る。
北日本、九州勢とも若干手薄なメンバー構成だが、S班に在籍したことがある守沢、スピードは通用する嘉永は侮れない存在だ。
平原が前人未到の地元記念V10を目指す。昨年は10年間維持していたS班の座を手放したが、GⅠ・日本選手権(平)で自身初のダービー制覇とともに、すぐさまS班へ返り咲いた。しかし、その後は優勝がなく、立て続けての落車などがあり流れに乗ることはできず。KEIRINグランプリ(静岡)でも見せ場を作ることができなかった。
その中で迎えた25年初戦GⅢ・立川記念。「前検はどうなることかと」と話すように、状態は良くない中でも、決勝3着と格好はつけた。「1年は長いので、最初に気合を入れて走れたことは良かった」と前を向く。
前回から約1週間。どこまで状態が上がっているか。完調までは厳しいのは仕方がないが、誰にも主役の座を譲れない地元記念。気合の走りで地元スターが躍動する。


(デイリースポーツ)
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