開催展望
強力な自力型がそろったが中野慎を擁する東北勢がイニシアチブを握る。ならば、その番手を回る新山響に絶好の展開になりそう。中野を使い切るか、別線の巻き返し次第では番手発進で決着をつける。マークする佐藤慎の差し一閃も十分。近況の大舞台こそ、苦戦を知られている状況だが、勝負師は競輪祭での〝一発回答〟に闘志を燃やす。すんなり新山との直線勝負に持ち込めば、粘る新山をズブリとやるシーンも大いにある。もちろん、現在の切れ味では佐藤の上を行く守沢太の大外強襲も軽視はできない。
関東のエース・真杉匠は走る度に強さを増す感がある。前回の京王閣記念決勝では新山響、古性優、犬伏湧を相手に果敢な先行策。8着に惨敗したが、群馬の小林泰正-木暮安由とは別線になり、小林がまくって後続を引き出したのが大きな敗因。ライン分散必至の今回は、真杉に取ってはうっぷん晴らしには持ってこいの相手。吉田有の援護で2段気味に発進するが、変幻自在を地でいく戦法でバックから直線を一気に抜け出す場面がある。
東北と関東の主導権争いになれば、別線に出番が回ってくる。同県の後輩・町田太の追加は松浦悠に取っては大きなプラス材料。単騎になっても、他の別線に乗って、直線突き抜ける力が今の松浦にはある。迎え撃つ前回覇者の浅井康は今大会6度目の制覇に全力を尽くす。親王牌は準決止まりだったが、変わらず動きはいい。ここは前を谷口遼に任せて地元タイトルを死守する。親王牌決勝での9着が良薬となりそうな寺崎浩は村上博、三谷将の援護を受けて間隙(かんげき)を突く戦法か。南関勢では親王牌準Vの小原大に期待がかかるが、若手の積極タイプが不在。自力勝負ではいかにも苦しいか。後藤大、伊藤旭を擁する九州勢は、末脚の切れがある園田匠が無視できない存在。
(中日スポーツ・東京中日スポーツ)
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