函館競輪GⅢ

開催展望

 古性優作の優勝で幕を閉じた五稜郭杯争奪戦の興奮冷めやらぬ6月6~9日、函館競輪場で大阪・関西万博協賛のミリオンナイトカップ(GⅢ)とミリオンナイトクイーン(FⅡ)が開催される。高松宮記念杯とパールカップの開催直前のため、S級S班らトップクラスは不在だが、阿部将大(大分)大塚健一郎(大分)中川誠一郎(熊本)の九州勢が主力を形成する。野口裕史(千葉)渡辺雅也(静岡)菊池岳仁(長野)らも小差で続く。電話投票番号【11#】。
 阿部は4月高知GⅢで大活躍した。準決は突っ張り先行の新山響平―佐藤慎太郎の3番手を確保する絶好の展開から、まくり追い込みで白星を奪取。決勝は犬伏湧也が先行し、清水裕友が4角手前から番手まくりを打ち、清水マークの阿部が直線で差し切り優勝した。初手からこの位置を取っていたように嗅覚もさえていた。22年3月の高知以来、2年ぶり2度目のGⅢ制覇となった。「犬伏さんが行く気満々だったので、清水さんとのゴール前勝負だと思った。高知バンクは相性が良くて第2の地元です」とファンの声援に応えていた。前走の地元別府FⅠでもまくり、逃げ、差しと多彩な決め手を繰り出し完全優勝を飾った。好位からのまくりで3度目のGⅢ優勝を目指す。
 ガッツファイター大塚は負傷から復帰後、徐々に調子を上げている。同県の阿部や、九州同士の中川を目標にチャンスをつかみたい。その中川は熊本バンクが7月20日に8年3カ月ぶりに再開することを励みにしてきた。今開催期間中に45歳になるベテランだが、まくり足は強烈だ。阿部の番手を回れる展開ならチャンスは広がる。
 函館市と接している北斗市出身の野口は、武雄GⅢで逃げて2勝を挙げるなど強力な地足が武器。直前の小田原FⅠ決勝で逃げ切り、今年初優勝と意気上がる。海風が強く、重いバンクのため先行型には厳しいが、徹底先行の野口に真っ向勝負を挑む選手は菊池ぐらいか。マイペースの逃げが打てれば面白い。野口を目標にできる同県の近藤保も勝機がある。
 先行力ある菊池岳仁は持っているポテンシャルが高いので、今の成績は少し物足りない。とはいえ、全プロ大会で1000メートルTTを大会新で連覇するなど状態はいい。五稜郭杯を走ったばかりでバンクの特徴をつかんでいる。そのほかでは、機動力ある渡辺や地元の菊地圭尚、まくり足強烈な伊藤信、差し足堅実な福島武士らも上位争いに顔を出しそうだ。


(日刊スポーツ)

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