
開催展望
豊橋競輪の開設74周年記念・ちぎり賞争奪戦GⅢが、9月28日から10月1日までの4日間、開催される。GⅡ共同通信社杯(以下、共同杯)で9年ぶりにビッグレースを優勝した深谷知広が中心になるが、新山響平と佐藤慎太郎の東北S班コンビも意地を見せたい。町田太我、桑原大志、松本貴治、香川雄介の中四国勢も上位争いに加わる。地元愛知は吉田敏洋、岡本総らが参戦する(電投番号「45#」)。
深谷は共同杯で14年松戸のGⅡサマーナイトフェスティバル以来、9年ぶりのビッグレース優勝を飾った。決勝は同県の渡辺雄太を目標にした。新山が単騎カマシを打ち、新山―渡辺―深谷となり、嘉永泰斗のまくりを深谷が最終2角でブロックし、直線で一気に突き抜けた。人の後ろを回ったり、けん制したりと以前の徹底先行から自在性を備えた自力型に変身しつつある。ナショナルチーム在籍が長かったため、ビッグの優勝から遠ざかっていたが、まだ33歳。これから深谷の第2章が始まる。松戸GⅢ、青森GⅡのグレードレースを連続優勝し、賞金ランクは8位まで押し上げ、年末のKEIRINグランプリ出場が見えてきた。豊橋は元ホームバンクだけに、ファンの声援を背にパワフルな自力足を発揮し14年以来、2度目の豊橋記念優勝を目指す。
新山が追加で参戦する。地元開催の共同杯は深谷に屈したが、決勝2着に好走。北日本ラインのマーカーが続々脱落し、決勝は単騎の戦いを強いられたが、機動力を存分に見せつけた。賞金ランクは9位で1万円でも多く上積みしたい。持ち前の先行力を発揮し、佐藤慎太郎との鉄壁ラインでワンツーも十分可能だ。
46歳の佐藤は衰え知らず。オールスターは決勝に進めなかったが、落車を避けて、まくりで勝ったシャイニンスター賞での俊敏な動きが光った。賞金ランクは堂々4位。追加の向日町GⅢでも決勝2着と好走し、共同杯は準決で敗退したが、ベテランらしいさばきを見せていた。
町田、桑原、松本、香川の中四国勢が波乱を演出する。町田はスケールの大きな先行が持ち味で主導権を取って粘り込む。桑原は7月名古屋GⅢで決勝3着に好走するなどマークはしぶとい。松本は前橋GⅢで決勝3着に好走。自力脚が戻り、オールスターでGⅠ初決勝(8着)と気を吐いた。香川は2月全日本選抜、5月日本選手権と連続でGⅠ決勝に進出した。町田や松本らを目標に差し足を伸ばす。
中部ラインは他地区と比べるとやや小粒だが、ベテラン吉田やホームバンクの岡本らが見せ場を作りたい。ほかでは差し足が戻った稲川翔、好調な荒井崇博らが間隙(かんげき)を突いて上位に食い込む。(日刊スポーツ)



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