開催展望
久留米競輪GⅢ「開設74周年記念・第29回中野カップレース」が24~27日の4日間、開催される。久留米が生んだスーパースター中野浩一氏が世界選手権スプリント10連覇など競輪界に大きな足跡を残したことを記念して、1993年(平5)の開設44周年記念後節から「中野カップレース」の名称となった。開設記念で選手名が冠に付いたのは初めてで、第1回は久留米の後輩・平田崇昭(当時27)が優勝した(電投番号「83#」)。最終日の27日、第9レースで「レインボーカップ チャレンジファイナル(A級3班戦)」があり、121期の9選手が出場を予定している。
S級S班が3人参加し、日本一のスピードを誇る脇本雄太が中心だ。昨年のKEIRINグランプリを圧勝し、今年はさらにパワーアップする姿が見られると思われていたが、持病の腰痛との闘いを強いられている。昨年のような無双状態ではないが先行力、ダッシュ力とも他の追随を許さない。直前のGⅠ高松宮記念杯競輪は、まくり連発の4連勝で決勝に駒を進めた。決勝は新山響平の上昇に合わせて突っ張り先行を試みた。ゴール前で失速し6着だったが、番手を回った古性優作の大会連覇に貢献した。今シリーズも新山の動きを見ながら、カマシかまくりで優勝をもぎ取る。脇本には近畿ラインで東口善朋がマークする。高松宮記念杯で3勝を挙げるなどベテラン健在だ。
新山響平―新田祐大の東北S班コンビが強力だ。この2人に成田和也が続き、脇本に対抗する。新山は主導権を取ったときの粘り腰は強烈だ。高松宮記念杯の決勝で脇本に負けているだけに、雪辱の機会をうかがう。グランドスラマー新田は自在性を身につけ、後方に置かれることが少なくなった。高松宮記念杯は青龍賞で失格(3着入線)と不完全燃焼だったので挽回したい。
地元九州地区も黙ってはいない。北津留翼(福岡)は誘導員早期追い抜きのペナルティーで今月、4カ月ぶりに復帰した。初戦の別府はまくりの3連発で完全優勝。高松宮記念杯は2次予選で落車したが、幸い軽傷だった。自力勝負で大会連覇を目指す。北津留にはホームバンクの坂本健太郎、田中誠が援護する。
関東勢は21年の覇者・吉田拓矢に、高松宮記念杯で2勝の坂井洋、宿口陽一らの抵抗に期待したい。(日刊スポーツ)
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